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2008年7月13日 (日)

シンポジウム「後期高齢者医療を考える」を開く

Dsc050021 7月12日、日本共産党岩手県委員会・盛岡地区委員会、岩手県議会議員、盛岡市議団の4者が主催した、シンポジウム「後期高齢者医療を考える」が、盛岡市勤労福祉会館で開かれ、230人が参加しました。 (写真はクリックすると大きくなります)
 シンポジウムには、岩手県医師会の石川育成会長、同歯科医師会の箱崎守男会長、岩手県保険医協会の箱石勝見会長からメッセージが寄せられました。パネリストには、産婦人科医師で県保険医協会常任理事の田村公一さん、全日本年金者組合岩手県本部委員長 の小松原進さん、盛岡市保健福祉部長の扇田竜二さん、日本共産党衆議院議員の高橋千鶴子さんの4氏を迎え、斉藤信県議がコーディネーターをつとめました。
 シンポジウムでは4人のパネリストの充実した発言と会場からの討論で、この制度の内容がより詳しく明らかになるとともに、廃止以外にないことが一層明らかになりました。また、この間の県内、市内における市民の運動についても紹介されるとともに、国会における論戦の到達点と、廃止に向けた展望なども明らかにされ、今後の運動に確信と展望を示す内容となりました。

医療費削減のため「生きているうちに死に方を選ばせる制度」~悪法は撤回を

 パネリストとして最初に発言した、産婦人科医の田村公一さんは、「この制度が作られた目的は、厚生労働省が、2025年までに医療費を8兆円削減、高齢者医療で5兆年削減するとしたことにある」と指摘。諸外国と比べてGDP比で日本の医療費が下位にあることを示しながら、今回持ち込まれた「後期高齢者診療料」「終末期相談支援料」などについて、詳しくその問題点を指摘しました。
 特に悪評高いのが「終末期相談支援料」だと指摘。脳死や臓器移植などと違って老人の終末期は定義はない。ただ何となく、「死が間近であろう」という判断のもとに、患者に書類を示し、「輸液、中心静脈栄養・径管栄養、昇圧剤、人工呼吸、蘇生術などを希望するか希望しないか」を選ばせる。高齢者が入院したら「お金がかかるから、往生してくれ」ということを要求しているのが、この制度だ。普通の感情を持った人たちには浮かばない書式だ。と厳しく批判しました。
 日本の平均寿命は女性で85~6歳、男性で77~8歳だが、75歳からの「余命」では男性で10年、女性で15年ある。その余命を十分にまっとうさせる。生きていただく、ということが、本来の国としての医学的施策であり作るべき制度だと思う。「なるべく医者にかからないようにする、できるだけ入院させないようにし、入院したら早めに退院してもらう、薬は重くならない程度に、死ぬときは、自宅で」ということで、生きているうちに死に方を選んでもらう」という悪法はぜひ撤回させることにしなければならない。と述べました。

国は「いのちの作法」を知らない。こんな不当な制度は許せない!

 パネリストの2番目に発言した、全日本年金者組合岩手県本部委員長の小松原進さんは、「もう少しで79歳になる。後期高齢者の青年部にいる」と紹介し、「我々後期高齢者がどのような時代を生きてきたか」と戦前~戦後の歩みを振り返りました。
 戦前は、「早く兵隊になってお国のために尽くしたい」というように教育され、ほとんどの学生・生徒が勤労奉仕・勤労動員という形で戦争遂行のための動員された。
 戦後は、あたらしい憲法のもとで社会保障制度が作られ、老人医療費の無料化も行われた。日本で最初に取り組んだ旧沢内村を描いた「いのちの作法」という映画を見たが、ここでいう作法とは、生まれてから死ぬまで大事に大事に取り扱って送るというのが、「作法」ではないだろうか。
 その後、国の老人医療費の無料制度を有料化にして、今のような社会保障の後退を作り出してきた。そして今度の後期高齢者医療制度で、戦前戦後、あらゆるところで頑張ってきた我々を、『姥捨て山』に追いやるとはとんでもない。国が「いのちの作法」を知らないのではないか、と述べました。そして、年金者組合が、06年9月から、学習会や署名活動、デモ、座り込みなどの行動を起こしてきた運動の経過を紹介し、「今年の大会では役員も全員留任して、廃止目指す運動方針を決めた。」「こんな不当な制度を許すわけにはいかない」と述べました。

皆保険の堅持、国民的な議論が必要

 3番目に発言した、盛岡市保健福祉部長の扇田竜二さんは、行政機関の立場から、法令に基づいて制度を適正に円滑に進めていくという視点で話ししたい。
 長寿医療制度が始まるまでの背景として、経済の低成長時代への移行、少子高齢社会の進行、医療費の増加、ということがあり、この中で、老人保健制度に代わる新たな制度がこの10年間議論され、その答えの一つとして今回の長寿医療制度の誕生となった。国民皆保険を堅持しながら、公平でわかりやすい制度、安定的で持続的可能な医療保険制度、ということで老人保健制度に代わる新たな医療制度としてスタートを切った。と解説し、これまでの老人保健法の下での医療制度と後期高齢者医療制度の下での、主な内容の違いを紹介しました。そして、この6月政府与党が合意した「低所得者に対する負担軽減」などの見直し内容を説明し、今後の方向として、①国民皆保険制度の堅持 ②市としては法に基づく適正な執行と、運用上生じる問題については改善を働きかける ③社会保障制度について、負担と財源も含めた国民的なぎろんが必要だ、と述べました。

与党を追い詰めた国民世論と国会論戦
今後は税源論が焦点に

 パネリストの最後に、日本共産党の衆議院議員、高橋千鶴子さんが発言しました。
 高橋千鶴子さんは、「衆議院厚生労働委員会に所属をし、廃止法案を提案した一人として、渦中にいた人間として、4野党の廃止法案提出と結末をどう見るか。その点を報告したい」と話を始めました
 高橋代議士は、「皆さんの声がうねりを作ったということに確信を持ってほしい」「全国のこうしたシンポジウムなど皆さんから出された声を真っ先に届けた」論戦で、与党議員からも「失礼だが、総理も大臣も押されていた」というう論戦を行ってきたことを詳しく紹介しました。
 そうした中で、塩じいや堀内光雄氏など自民党の重鎮と言われる人たちが、マスコミで公然と反対だと発言するまで追い込んだと紹介。また、国民の世論の中で、与党が度重なる「見直し」が余儀なくされて、「後期高齢者診療料」は私の質問に対して、「採用しない医療機関に対して口出しはしない」と約束をしたので事実上、実行しなくてもよいことになった。また、終末期相談支援料も凍結させた、という到達点を紹介しました。
 そして、そこに至る国会での論戦や粘り強く「4野党共闘」を追求した活動を紹介しました。特に、民主党が、2001年の参議院決議で「後期高齢者の新たな医療制度の創設」を提案していたことなど、もともとは「賛成だった」ことからくる様々な揺れなども紹介しながら、日本共産党の論戦と国民の怒りがここまで追い込んだことに確信を持とうと呼びかけました。
 また、法案が継続審議となって、秋の国会には、民主党が触れたがらない「財源問題」が焦点となる。と述べ、消費税問題も含めた議論になるという見通しを示しました。
 この間の到達点で「75才で別枠にする」という骨組みだけは残ったが、医療費を削るための道具であった一つ一つの制度をほとんど見なおしてしまった。ここまで追い込んだ。後期高齢者医療をやっている意味もないくらいになった。これを完全に粉砕するのか、それとも、我々が安心している間に、与党が息を吹き返してまたこの骨組みに、肉をつけさせていくのか、が秋の国会に問われている。ということで一緒に頑張りたい。と述べました。

高齢者の命や人間らしい生活へ大きな影響を与えている実態が浮き彫りに
沢内村の方式をとるか、後期高齢者医療制度の方式をとるか

 会場からの発言では、「自分ももうすぐ後期高齢者に向かっているが、内容をみると、生きるというよりは死の方に向かっているような、暗澹たる思いになる。国民にとって決していい制度ではないのでと廃止に持っていっていただきたい」などの発言がありました。

 岩手民医連の方は、4月から6月にかけて全国的に取り組んだアンケートによる岩手県内の結果を紹介しました。138件のアンケート結果の特徴は、①制度を知らなかった方が53人で、3分の1以上の方がよく知らなかった ②保険料が高くなった、が27%、安くなった11%、どちらかわからない(国保に残った妻の分が不明)20%などとなっており、厚労省の70%が安くなったと違う結果だ ③年金からの天引きは43%が「やめてほしい」「人の懐に手を突っ込むようなことはやめてほしい」「80歳を前に生きる喜びがなくなった年金からどんどん引かれると体が震えてくる」との声が寄せられている ④医療費の自己負担「高くなった」が19% ⑤「こまった」が34% そのほか、「生活費が圧迫され食費を切り詰めた」「娯楽・友人との付き合いを減らした」「2年ごとに保険料が値上がりするのが心配。物価特に灯油などの値上がりで困っているときに追い打ちをかけるようなことはやめてほしい」など、この制度が高齢者の命や人間らしい生活に対して大きな影響を与えている実態が浮き彫りになった。と紹介しました。

 また、旧沢内村で老人医療費無料化にも携わった、高橋徳重さんは、「後期高齢者医療制度は、できるだけ医者にかからにようにし、医療費を抑制するという観点からのものだという発言があったが、旧沢内村で1960年、昭和35年から始めた医療費無料化は、まったく逆で、医者にできるだけかかりやすいようにする、なかなか医者にかかりにくいという状態の中で、早めに医者にかかり、早く直していく。それは、その人にとっても良いし、医療費も安くなるという経験をした。現在の後期高齢者医療制度の全く逆のことをすすめて来た」と述べ、現在の「格差社会」や「命が粗末にされている」世相の下で、「生命尊重」の路線が今こそ大事な時だと感じられる。後期高齢者医療制度の方向を行くのか、それとも、旧沢内村が進めてきた医療費の無料化の方向の、どちらを選択するのかが問われているように感じる。と述べました。

6か所で35人の参加をした学習運動

 また、地域で「医療福祉を良くする会」を作り、地域に呼びかけて、6か所で350人が参加する学習運動を行ってきた、盛岡医療生協山岸支部の方は、この運動を通じて、ある老人クラブの会長さんが、2回にわたって署名に協力してくれ、のべ282筆の署名を集めてくれた運動の経験を紹介し、このような地域での運動が大事ではないかと述べました。

政府の嘘に騙されてはならない

 最後にパネリストからまとめの発言をしました。
 田村さんは、「医療費の適正化」とは即「医療費の削減」ということであり、老人保健法までは「成人病」が「生活習慣病」と名前が変えられたためにそれは「自己責任」にされてしまった。「終末期相談支援料」は「往生説得料」であり、「往生説得報酬料」だ。
 小泉改革の時「改革加速」という目立つポスターがあったが、あれは「負担の加速」であった。と述べ、医療費の増高も、政府は「2025年に56兆円になるのを48兆円に抑える」云々といっているが、保険医協会では、「これまでの制度でいっても41兆円くらいでおさまるだろう」と試算している。
 実際、平成11年から15年までの老人医療費の推移をみると、11兆円くらいで横ばいになっている。年金や介護・福祉の増加が腹立たしいから、老人医療云々を言って、早く死んでくれ、往生してくれ、というのが本心ではないか。と思わざるを得ない。と指摘。「何人で支えるか」という数字にも、高齢者の働く人を無視したトリックがあることを紹介し、こういう統計についても真剣に批判する学者もいなければ、検討しているマスコミもいない。逆を言えば、かつて「お友達内閣」という言葉があったが、今日本に蔓延しているのは「お友達学者」であり「お友達マスコミ」ではないか、ということにも批判の目を向けなければならないのではないか。と思う。と発言しました。

謙虚に市民の声に耳を傾ける姿勢で臨みたい

 小松原進さんは、「運動では高齢者の運動とともに団塊の世代の方とも一緒に運動を進めていきた」と述べ、扇田さんは、質問に答えて「長寿医療制度は通称で、正式名称は「後期高齢者医療制度」「日本の皆保険制度が世界に誇れるかについては、昭和36年に確立した国民皆保険制度が、日本が長寿の国と言われる根底にあったということは事実だ」と述べた後、「介護保険の問題なども出されたが、謙虚に市民の皆さんの声に耳を傾け、困っている人の話を聞く姿勢で、私自身も取り組んでいきたいと考えている。市・国問わずきちんとした情報を説明するということがまず大事だと思う」と述べました。

「沢内に学べ」と中央公論も
岩手から、命守る運動の発信を


 最後に発言した高橋千鶴子さんは、「日本の国民皆保険が世界に誇れるか」との質問に対して「WHOが日本がトップレベルだと認証したのは事実だ。子供の死亡率や、健康寿命、衛生面などの評価で指標をみると確かに一番で、その背景には、国民皆保険制度があり、いつでも・どこでも・誰でも、保険証1枚で医療にかかれる、ということがあるが、それがだんだん怪しくなってきたということは間違いがない。絶対的な貧困率が、日本では高まってきた。OECDの中で(医療費は)、1番びりになって、改めて諸外国の中で、医療にお金を使わない国になっていることが問われている。というのは指摘されたとおりだ。と述べました。そして、沢内村を無視した「厚労白書」が、「東京、秋田から始まって国の施策になった老人医療費無料制度で70歳以上の受療率が1.8倍になった」「必要以上に受診が増えて、病院の待合室がサロン化し、社会的入院を助長した」と結論付けているとして、ここに沢内村が入ると矛盾するから意図的に外したということを明らかにしました。
 そして、中央公論7月号に「後期高齢者医療制度の嘘と真実~ルポ、岩手県旧沢内村方式に学べ、医者にかかって医療費を下げる」という記事が載っていることを紹介し、「メディアにも注目されるようになったこの岩手から、こうした問題を発信していこう」と結びました。

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