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2009年1月19日 (月)

魅力たっぷりのコンサート。アンサンブル金沢の「オールべートーベン」

 1月16日夜、盛岡市民文化ホール(マリオス)で行われた New Year Concert2009に参加しました。プログラムは、「エグモント序曲」「ピアノ協奏曲第5番『皇帝』」「交響曲第7番」、ピアノはアリス紗良・オット、指揮井上道義というもの。
 「オールべートーベンプログラム」に加え、オーケストラの「アンサンブル金沢」に魅かれてチケットを求めていました。エグモント序曲は、高校の時代ブラスバンドに編曲したものをよく演奏し、最も好きな曲の一つでした。『皇帝』も第7番も、最もポピュラーな曲で、楽しみにしていたのです。また、アンサンブル金沢は、いつかNHKのテレビでその活動が紹介された記憶があり、盛岡市と同じ地方都市金沢の持つオーケストラとして関心を持っていたのです。

Dsc059691 充実した、2時間半
 午前、午後の用事を済ませ、期待を胸にマリオスに向かったったのが午後6時少し前。「7時開演」を、「6時半開演」と勘違いしていたため、時間に間に合うかどうかとハラハラしながら会場に着くと、何とオーケストラの音楽が聞こえるではありませんか。7時の開演前、ホールホワイエで、小編成のアンサンブルがレハールやシュトラウスの曲を演奏していました。「プレコンサート」だったのです。クラシックコンサートでは初めての経験で、たくさんの聴衆が、うっとり。そして大きな拍手。その余韻を持ちながら席に着いたのでした。それから終演までの約2時間半は、本当に充実した時間でした。

指揮台がない
 ステージを見ると、オーケストラの席が準備されていましたが指揮台がありません。オーケストラがチューニングを終え、間もなく指揮者の井上道義さんが颯爽と、そして滑り込むように登場。客席に一礼して振り向くが早いか、指揮棒を振りおろしてエグモントが始まったのです。井上氏の指揮は、体全体を使い、情熱のほとばしりを背中から聴衆にも伝わってくるものでした。当然演奏も素晴らしいものでした。この指揮のありようでは、指揮台はいらない。かえって邪魔になる。そういうことかと思わせる、指揮者、オーケストラの熱演が、第7番まで続くのでした。

ピアノ独奏者が「アンコール」~アリス=紗良・オットさんの素敵な演奏
 2曲目のピアノコンチェルトでは、20歳のアリス=紗良・オットさんが素晴らしい演奏をしました。さすがの井上さんも歩きまわる指揮を抑え、ピアニストとオーケストラとの文字通りの共演を演出。これまで耳になじんできたピアノ独奏とを少し違う、彼女らしさがあったのかと、素人なりに感じさせるものでした。驚いたことに、コンチェルト終了後、彼女がアンコール曲を演奏したのです。これも、あまり記憶にない出来事でした。

アンコール2曲。指揮者が解説まで
 交響曲第7番も期待にたがわないもので、ベートーベンを堪能させてもらいました。当然アンコールの拍手は鳴りやまず、しばらく続きましたが、指揮者の井上氏がステージでお話をはじめました。アンサンブル金沢がいまツアー中であることなど、聴衆とのこミュンケ―ションをとりながら、アンコールの一曲目は「トルコ行進曲」そして、「世界には紛争が今も起きている。日本で明治維新のさい江戸城を無血開城する役割を果たした女性がいる」と、昨年のNHK大河ドラマ「篤姫」のテーマ曲を2曲目のアンコール曲として演奏してくれたのです。このようなサービスも、地方都市の金沢のオーケストラならではとの思いをしました。

残念なこと。演奏は「余韻」まで楽しみたい。
 2時間半のとても得難い、充実した時間でした。しかし、一つだけ残念なことがありました。それは、いつのコンサートでも感じることであり、「今回はどうか」と懸念していたことがやはり起こってしまったのです。
 交響曲第7番の終曲。「熱狂的なフィナーレ」(当日のパンフレットの解説より)を迎え、指揮者が最後の指揮棒を振りおろすよりも早いのではないかと思われるようなタイミングで拍手がおきたのです。
 私は、いつも一拍おきたいと思っています。最後の音が余韻として響き終わるまで。しかも、コンサートホールのほとんどはそのことも考慮に入れて設計されているのですから。そして、感動をかみしめる至福の一瞬を大事にしたい、といつも思っているのです。感激のあまり拍手が始まるのでしょう。しかし、ちょっと待ってみると、また違う、もしかしたらもっと大きな感動を味わうことができる、ほんの数秒があるのではないでしょうか。

 それにしても、とても心に残る素敵なコンサートでした。これを企画運営した盛岡市文化振興事業団の皆さんに拍手を送りたいと思います。 

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