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2009年2月14日 (土)

杉並区で、不燃ごみの杉並中継所を視察~環境施設組合との関連を学ぶ

25日午後、不燃ごみの中継施設である「杉並中継所」を視察しました。杉並中継所は、杉並区井草4丁目の住宅地の中に建設され、1996年(平成8年)4月、東京清掃局の施設として稼働を開始し、2000年(平成12年)に杉並区に移管した施設です。
 杉並区内のほか、練馬区、中野区の一部の家庭や事業所から出る不燃ごみを小型収集車で集め、圧縮して大型コンテナに詰め替えて中間処理施設に輸送するための施設です。2分の1に圧縮して小型車約8台分を1台の大型コンテナに詰め替えることができ、収集効率をあげ中間処理施設までの交通量を減らすことができるという施設です。

稼働直後に健康被害多発、杉並中継所に原因あり~「杉並病」

この施設が稼働を開始したした直後から、施設周辺で健康被害を訴える人が相次ぎました。その症状は化学物質過敏症と思われる、気道系、中枢神経系、自律神経系、皮膚系などの症状で、その症状は多種にわたり個人差が大きいものでした。
 症状を訴える人は数百人規模となり、訴えを受けた杉並区では数次にわたって調査を行い区長名で東京都清掃局長に対して、①揮発性化学物質の排出抑制、②悪臭並びに重金属類の排出対策、③有害ごみ分別収集の検討と可燃・不燃ごみの分別収集の徹底など、中継所の施設改善を要望しました。
 杉並区の調査から、東京都も中継所と「杉並病」の因果関係を認めざるを得なくなりました。

東京都の「硫化水素」説・・・国の公害調査委員会は「化学物質が原因」と裁定

「杉並病」の原因について東京都は、「中継所の硫化水素が住宅内の配管や雨水桝から放出したため」という「硫化水素説」をとり、排水施設の改修を行い、その後の発症はないという立場を取っています。
 それに対して、被害住民が国の公害等調整委員会に原因の裁定申請を行い、2002年の裁定では、健康被害が施設周辺で操業時期に集中していることから、具体的な原因物質は特定できないものの、「原因は杉並中継所の操業にともなって出された化学物質による」とみとめました。
 杉並区の方の説明では、被害住民が「操業に伴う化学物質が原因」説に立って都を相手に裁判に訴えた判決では「敗訴」となったということですが、都の言う「硫化水素説」を根拠にしているのでないかと思われました。

杉並区・・「早い時期に中継所を不要なものに」を重点とした廃棄物処理計画策定

国の公害等調整委員会の裁定を受けて杉並区は、「現在の管理者として、この裁定を真摯に受け止め、今後も安全操業を確認するための環境モニタリング調査や健康相談を引き続き行っていく」「なるべく早い時期に杉並中継所を不要なものにしていきたい」との区長談話を発表。2003年に策定した「一般廃棄物処理基本計画」では不燃ごみの減量・資源化の徹底などによって、2012年までに杉並中継所を廃止することを決めました。
 

プラスチックの「サーマルリサイクル」で処理量が19%に・・・3年早めて中継所は廃止へ

東京23区では、最終処分場(埋め立て)の延命対策から、ごみとして出される廃プラスチックについては埋め立て処分から、「サーマルリサイクル」(焼却処理を行い熱エネルギーを回収し有効利用する)を行うこととし、杉並中継所に持ち込まれる不燃ごみは2007年から大幅に減り、2008年の後半には一日当たりの搬入量が32.8トンと2004年の173.9トンと比較して18.9%になりました。
 こうしたことから、20012年までに廃止するとしていた計画は3年早めて2008年度(2009331日)をもって廃止することになっているとのことでした。
 
プラスチック廃棄物による環境汚染は未解明~

 いわゆる「杉並病」の原因については、東京都の「硫化水素」説に対して、被害を受けた科学者も含めた「科学者グループ」は、周辺大気の分析調査解析などの調査結果から、杉並病は大気汚染による化学物質過敏症だとする見解を発表しています。

 行政が中継所周辺大気から採取した半揮発性物質のデータを分析したところ、検出された化学物質は400種類以上に及び、中でも特に毒性の強く問題があるとされた化学物質は イソシアネート 青酸系化合物 アルデヒド類 無水フタール 酸化エチレン ヘキサクロロブタジエン 水銀蒸気 フタール酸エステル類 フェノール 4-ニトロジフェニール ダイオキシンアなどが指摘されています。
 また、2002年の東京都の公害等調整委員会での専門委員報告書による測定結果では、被害者宅前の測定値(1996年10月14日施設稼働時)は、エタノールで、一般住宅の全国平均値1.8~7.6ppbに対して390~480ppbp-ジクロロベンゼンで同0.818ppbに対して6.7~14ppbとなるなど、異常に高い値を示しているということです。

 プラスチックなどを圧縮、摩擦するとごく局部的な高温とプラズマが発生し、せん断力によって化学反応が起きることが指摘されています。高分子のプラスチック樹脂(ポリマー)は何万もの単量体(モノマー)が化学結合してできており、多くのプラスチックの場合ポリマーとモノマーの中間の化合物(多量体)の方が毒性の強いものが多く蒸発しやすい性質を持っており、杉並中継所における大量の不燃ごみに含まれるプラスチックが、圧縮される過程の摩擦によってポリマーからモノマーや多量体に分解され、さらにそれが大気中で化学変化を起こしながら新たな有害物質を生成している可能性が指摘されているのです。

 現在の技術では、そのすべてを解明することは不可能であり、未解明な部分が残されていますが、東京都の「硫化水素説」に対して、国の公害等調整委員会の裁定が、物質の特定はできないとしながらも、杉並中継所に由来する「化学物質が原因」としたことは注目に値するものではないかと思います。

杉並中継所と、組合が計画している廃プラスチック処理施設

 わが組合で計画している「その他プラスチック容器包装処理施設」について、地元住民などから「杉並病」の懸念はないかとの疑問に対して、組合当局の回答は「当組合の施設は、杉並中継所の施設とは全く違うものだ」「杉並病に対する懸念はない」というものでした。今回の視察は住民の不安の声を受け、実際の施設を見学して検討したい、ということが目的でした。 
 
 杉並中継所の施設は、確かに組合が計画している施設とは大きく異なるものでした。組合が収集するものは、その他容器包装プラスチックであり、圧縮梱包するのはその中でも選別されたきれいなものです。それに対して、杉並中継所で処理しているのは、「不燃ごみ」とされるすべてのものであり、そのすべてを、大型コンテナに押し込んで減容化する施設でした。収集車から排出されたものを見ると、プラスチック製のものがあり、スプレー缶のようなものがありと、様々なものが混じっていました。
 その点では、組合当局の言う「別の施設」という点ではその通りでした。杉並中継所の施設内容からすれば、「プラスチックの圧縮過程で発生する化学物質」という範疇ではくくれないものの影響があるのではないかと思わせるものでした。
 しかし、処理される不燃ごみの組成分析(2006年度)では、プラスチック類が57%を占めており、圧縮過程でプラスチックが摩擦を起こし、化学反応によって有害な物質を発生させる可能性という点では、当組合の施設との関連性がないということではない、と感じてきました。
 
 
当組合の対応の在り方について

盛岡紫波地区環境施設組合では、施設建設に向けていま、旧焼却施設解体に伴うダイオキシン対策や、生活環境影響評価を踏まえ事業化に向けて準備中です。217日には組合議会に建設費を含む2001年度の組合予算が提案されますが、廃プラスチックの圧縮処理工程で発生すると指摘されている化学物質とその環境影響について認識し、それに対する対策を改めて十分なものを検討することが必要だと感じてきました。
 
●参考文献 2006 10 月中国雲南省昆明で開かれた「第4回環境医学・労働医学国際学術会議」で発表した廃棄物系化学物質による健康被害者支援科学者グループの論文、議会と自治体20052月号など

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