フォト

駒ケ岳の花々

  • ハクサンチドリ
    2008年7月2日秋田駒ケ岳で出会った花々

野の花

  • Dscf28232
    2013年8月八幡平県民の森付近の道端に咲いていた花です
無料ブログはココログ

« 多喜二と啄木、そして本郷新・・・・札幌、小樽を訪ねて ① | トップページ | 自治会が容器包装リサイクル施設を見学 »

2010年8月23日 (月)

多喜二と啄木、そして本郷新・・・・札幌、小樽を訪ねて ②

 本郷新記念札幌彫刻美術館を訪問したことは、小樽の多喜二文学碑を見る視点を豊かにしてくれました。

北斗七星と北極星、そして労働者の顔と小樽への思い・・・多喜二文学碑F1010148_2

 小樽市にある多喜二文学碑は、1965年に、作家と地元の人、旧友が発起人代表となり建設期成会がつくられ、2年間の地道な募金活動を行い実現した記念碑です。

 この文学碑について作者の本郷新は、「多喜二は働く人々の幸福を求めて立ち、それゆえに命を奪われた文学者であるから、私はこの文学碑の中にひとりの働く若者の頭像を中心的な像としてはめ込むこととした。そうすることで、この文学碑を他の文学碑と区別する手がかりとした。そして多喜二の肖像は造型的には二義的なものとして扱った。(中略)多喜二がその郷里小樽の街と人々を愛する思いを連ねた美しい言葉を、大きく壁にはめこむこととした。」と語っているということです。(記念札幌彫刻美術館のホームページの「学芸員の解説と写真で見る本郷新の作品」より)
 上部に形どった北極星と、北斗七星の四角い穴からは、光が差し込めて輝くとのことです。まさに、多喜二が示した「羅針盤」を表現したものだと思いました。

 小樽では市立文学館の多喜二の展示をみて、しばし言葉を失う思いをしました。

(この続きをお読みになりたい方は、下の「続きを読む」をクリックして下さい)

多喜二が受け取った二つの「辞令」

 文学館での多喜二の展示資料で最初にくぎ付けになったのは、小林多喜二に対する二つの辞令書でした。

 多喜二が小樽高商を卒業して、北海道拓殖銀行に入行したのは大正13年春。その時の辞令には「 七拾円 総務部勤務を命ズ」とあったのです。

 それから6年後、昭和4年11月16日付の辞令書には「発令文 依願(諭旨)解雇  事由 左翼思想ヲ抱き 「蟹工船」「1928年3月15日」「不在地主」「等文芸書刊行 書中当行名明示等言語道断ノ所為アリシニ因ル」「退職金 1124円14銭ナルモ 半額の560円給与」と。
P1030374_3
 (写真上:現在はホテルとなっている旧拓殖銀行の全景 下:一階の旧執務室 奥の方で多喜二は仕事をしていたということです)
P1030372_2

「清楚・純心」・・・田口タキの写真

 進んでいくと、多喜二が身受けし、母親が赤飯を炊いて歓迎したという田口タキの写真がありました。「純粋・清楚」という表情が写真からしっかり伝わってくる美しい顔立ちで、多喜二がどれほどこの人に心を寄せていたのだろうか、ということがよくわかる思いでした。

やがて輝く旗を信じて・・・書き、闘った多喜二

 「蟹工船」の出版のいきさつなどの展示を過ぎると、目に入ってきたのが、1933年2月20日に多喜二が東京築地署に逮捕されその日のうちに拷問虐殺されたことを報じる新聞の記事でした。
 「プロ作家小林多喜二氏 築地署ニ捕ラハレ急死」(タイムス 2月22日)「街頭検挙後心臓麻痺」「遺体解剖は病院拒否」「弔問者16名検挙」(時々新聞 同)・・・・等々。
 警察は「心臓麻痺」などと発表し、解剖は病院だけでなく、「帝大、慶大 慈大も拒否」され「小林多喜二浮かばれず」という報道もありました。

 新聞記事の中で多喜二の母、小林セキは「覚悟の上とはいえ、こんな死に方をしてくれるとは思いませんでした」とありました。

 それらの新聞記事の上に、多喜二が詠んだ歌が書かれていました。

 屍も 積み重ねなば バリケード
 やがて輝く旗を信じて       小林多喜二

 未来に輝く旗を信じながら、書き、闘い、そして自らの屍をバリケードとした多喜二。新聞に書きこまれたこの多喜二の歌を読みながら、「多喜二から何を学び、何を受け継ぐべきか」・・様々な思いが浮かびました。

ああ涙が出る メガネが曇る

 「ああ またこの二月が来た ほんとうにこの二月という月がいやな月  声をいっぱいに泣きたい どこへ行っても泣かれない 
 ああ ラジオで少したすかる ああ 涙がでる めがねがくもる」

 多喜二のお母さん 小林セキさんが亡くなった遺品の中から出てきた文書を読んで、多喜二の命日が来るたびに、愛する息子を奪われた母親の、やりようのない悲しみを思い目頭が熱くなりました。

« 多喜二と啄木、そして本郷新・・・・札幌、小樽を訪ねて ① | トップページ | 自治会が容器包装リサイクル施設を見学 »

趣味」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 多喜二と啄木、そして本郷新・・・・札幌、小樽を訪ねて ②:

« 多喜二と啄木、そして本郷新・・・・札幌、小樽を訪ねて ① | トップページ | 自治会が容器包装リサイクル施設を見学 »