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カテゴリー「視察・研修報告」の記事

2017年7月 6日 (木)

会派視察2日目~野洲市債権管理条例 くらし支えあい条例とも関連し

 会派視察2日目(7月5日)滋賀県野洲市にお邪魔をし「野洲市債権管理条例」について視察しました。関東地方の県庁所在市の共産党市議団と一緒の合同視察となりました。
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債権の適正管理通じて生活困窮者支援

 野洲市の債権管理条例の特徴は、市が持つ債権を一元的に管理し債権管理業務の効率化を図ることと合わせ、滞納を市民生活のSOSととらえ生活再建につなげる滞納整理を行うことを目的とした条例です。この条例制定の際の市長の説明に「ようこそ滞納いただきました」「滞納は生活状況のシグナル」と添えたそうです。
 それは「(債権は)市民生活を支えるための財源 市民生活を壊してまでは回収しない 滞納を市民生活支援のきっかけにする」ということです。そうしたことから、市の各部署にまたがる債権を一元管理することを通じて市民の状況を総合的に把握し、①「生活困窮」を理由に徴収猶予ができる ②「生活困窮」を理由に債権放棄ができる(いずれも地方自治法・施行令にはない)独自の規定を設けています。それは、生活困窮者からの債権回収は一時的に市の収入確保となったとしても、その市民の生活破壊はやがて生活保護その他の支援が必要になる。一方生活再建を行ってやがて納税者になっていただく・・・長期的に見てどちらを選ぶか、ということです。

滞納者≒多重債務者≒生活困窮者

 この条例制定の背景には平成25年度~26年度の「債権適正管理検討プロジェクトチームの検討の中で、滞納者≒多重債務者(消費生活)≒生活困窮者という実態に着目し、生活者再建の視点を踏まえた条例~債権の適正管理を通じて生活困窮者への支援につなげる 条例にしたとのことです。
 生活困窮者に対する債権徴収猶予、債権放棄の規定に加え、さらに延滞金減免規則(本税の滞納がなくなった時点で、市民生活相談課からの意見書(生活困窮の証明)をもとに延滞金を免除する)規定も整備しているとのことです。

くらし支えあい条~市民の困りごとの解決、生活再建支援は志乃重要な役割

 この債権管理条例(平成27年4月1日施行)に加え、平成28年6月には「野洲市くらし支えあい条例」を施行されました。
 この条例には、珍しく「前文」があり、その中でこの条例の基本精神が謳われています。「市民共通の願いは、健康、安全、幸せです。」「野洲市では生活が立ち行かなくなった市民に対して、生活の困りごとを解決するという大きな括りで捉えて支援を進めてきました。」「市民の生活の困りごとを解決し、自立をうながし、生活再建に向けた支援を行うことは市の重要な役割問です」「一人を支援することからを基本に、包括的、継続的に支えあう仕組みが機能することが大切」だとし、「市民一人ひとりがともに支えあいのびやかに安心してくらせるまちの実現をめざす」と高らかに謳っているのです。
 くらし支えあい条例の大きな柱は、消費生活に関することと合わせ、生活困窮者への支援が期待されており、「生活困窮者等に公租公課の滞納があったときは、迅速に債権管理条例による措置を講ずる」としています。

 連携が大きな効果も・・
庁内の納税部門と市民生活相談課との連携が、大変大きな効果を上げているという実例もお聞きしました。
 平成27年度の消費生活相談中「多重債務」の相談件数は46件。うち市等の他の部署からの照会が、納税推進課(17 )社会福祉課(2)社会福祉協議会(2件)などとなっており「納税推進課からの紹介が多いのは、平成27 年4 月1 日から施行された、野洲市債権管理条例で納付相談から困窮者を発見すれば市民生活相談課に繋いで生活支援をする仕組みの成果が要因です」(27年度消費生活相談実績報告書より)とのこと。
 その相談の中で、「過払い金の返還額が約3000万円。その中から200万円を超える市への納税があった」(市生活相談課課長補佐さんのお話し)ということでした。

自治体の姿勢・首長の姿勢で「天と地の」差も実感

 
一緒に視察した市議団の方のお話では、「生活保護受給者にまで過去の滞納を請求して支払わせた」「事業廃止した事業者に対して、ようやく本税を完納しても延滞金については最後の一円まで取り立てている」「滞納すれば直ちに差し押さえ。全部で一万件」「納税者の公平。早期の差し押さえが逆に滞納の累積を防ぐ・・」という実態をお聞きし、同じ自治体でも首長の姿勢で天と地ほどの違いがあると実感しました。

 さて、わが盛岡市は・・・今回の視察を糧にしっかりと検証し盛岡市政に生かす提言をしなければ、と強く感じてきました。

2017年7月 5日 (水)

長浜市視察② 滋賀県内で急速に広がる「子ども食堂」

 7月4日、長浜市役所で学校給食費補助制度について視察したのち。長浜市社会福祉協議会にお邪魔し、市社協が支援して広がっている「子ども食堂」について視察しました。

長浜市で6団体、滋賀県内で66団体~ここ1・2年で急速に広がる

 長浜市社協で伺った「子ども食堂」の取り組みも驚きました。長浜市も含めて滋賀県内で急速に子ども食堂の取り組みが広がっています。
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 なんと、2015年10月時県内で6カ所→2016年3月時16カ所→2017年3月時62か 所と増え、現在では66か所になっているとのことです。
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社会福祉法人中心に広く結集した「滋賀の縁(えにし)創造実践センター」が支援

 

 この背景には、滋賀県内の社会福祉法人(社会福祉協議会その他の法人)個人等で設立した「滋賀の縁創造実践センター」が、センターに参加する団体等からの出資金及び県の補助金を主な財源として、子ども食堂に対する補助制度を作り(初年度20万円、次年度から10万円、3年間)、研修会などの開催を行って県民・市民に呼びかけたことがありました。
 そして、その実施に当たっては、地域の社会福祉協議会が、実施したいという団体・個人に対して、きめの細かい支援をしているということです。(たとえば、チラシのつくりかた、場所の確保、実際の運営のお手伝い・・・)
 補助金の交付や清算なども、面倒な手続きを抜きにして、仮に余ったら翌年度に使ってもらっていいですという風にして、支援を受けるためのハードルを低くしているということでした。

滋賀県の福祉活動の歴史の上につくられた「縁(縁)創造実践センター」

 滋賀の縁創造実践センターは、平成26年度に結成され、5カ年の事業を計画。
 設立趣意書には、「今、滋賀の福祉にかかわる私たちには、糸賀一雄らが福祉や社会の未来のためにつないでくれた“バトン”があります」「民間福祉の実践者として、『自覚者が責任者』との思いをあらためて共有・共感しました」「「私たちに問題意識は・・・制度の狭間ににあるため支援が得られない人々等、社会的孤立や生活困窮の問題が広がっていること」「この狭間を見逃さず、滋賀に暮らす一人ひとり、だれもが『おめでとう』誕生を祝福され、『ありがとう』と看取られるまで、ふだんのくらしのしあわせがもてる社会を創りたいと考えます」・・・謳い、センターがめざすものとして、①トータルサポートの福祉システム化 ②制度の充実と制度外サービスへの取り組み ③縁(えにし)・支えあいの県民運動を上げています。
 活動内容として ①制度が対応できないニーズに対する支援の開発と実践 ②県内各地で相談・生活支援委取り組む支援者の支援 ③県内各地域におけるトータルサポートのための協同のしくみづくり を謳っています。

 子ども食堂に対する支援の事業は、まさにこの設立趣旨に基づいて、その他の事業とともに具体化され実践されたものでした。
 
 滋賀県で子ども食堂が、この一年余りで急速に広がりを見せた要因はここにあったのです。滋賀県内の300の小学校区に一か所を目標にしようということです。「福祉の新しい手法へのチャレンジ」(設立趣旨)してととても教訓的な取り組みだと強く感じました。

会派視察~ 長浜市「小学校給食無償化」

 7月4日から6日まで会派の行政視察です。視察先は、①滋賀県長浜市~小学校給食の無償化 子ども食堂 ②同県野洲市~債権回収条例について ③名古屋市~大都市におけるごみ分別、ごみ減量いついて、です。
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 初日の今日は滋賀県長浜市にお邪魔して、長浜市教育委員会から「長浜市市民で支える学校給食補助事業」についてお聞きし、長浜市社会福祉協議会から、滋賀県内で急速に広がっている「子ども食堂」について伺いました。

給食費全額補助は人口10万人以上の町で初めて
~「少子化対策推進本部」立ち上げて検討


 長浜市が小学校給食費全額補助を始めたのは平成28年度2学期から。今年度は2年目です。人口10万人以上の市では、全国で初めての取り組みということでした。
 長浜市は2度の合併を経て現在の市になり、滋賀県の琵琶湖の一番北に面した12万の市です。2度目の合併(平成22年)後の7年間で、8000人の人口が減少するなか、平成27年度に市長を本部長に「少子化対策推進本部を立ち上げ、少子化対策のための各種施策を検討し事業化してきたとのことです。
 少子化対策の大きな課題として「子育てにかかる経済的負担の軽減」に取り組むこととし、その中の一つとして小学校給食費の全額補助事業を実施したということです。

 事業名は「長浜市市民で支える小学校給食費補助事業」。「加速化する少子化への対策は急務」「子どもは未来を築く『宝』」「子どもたちを心身ともに健全な大人に育て上げることは保護者だけでなく市民全体の責務」と位置付け、「市民で支える・・・」と事業名にそのことを示したとのことです。

教育費の約5% 2億6645万円の予算

 補助の対象は市内に住所のある、小学生を持つすべての保護者で、所得請願はありません。補助事業であることから、保護者から「申請書」を学校ごとに提出し、その際補助金の受領委任(学校給食会)も提出してもらい、その手続きをもって、補助金は市から直接給食会に支払われるということです。
 平成29年度の予算は2億6645万円。長浜市の当初予算の教育費が約51億円ですから、その約5%ということになります。

中学生への拡大については、市民の声を聴いて
 
 現在小学生を対象にしたこの事業について、中学生への拡大の可能性についてお聞きしたところ、現在市が取り組んでいる、他の課題も含めた市政全般に関する「満足度調査」の結果を踏まえて検討するということでした。
 それは、全額市民の税金で実施しており、子育てが終わった方、あるいは子どもを持たない方などの市民の税金も活用していることから、「子どもたちを心身ともに健全な大人に育て上げることは保護者だけでなく市民全体の責務」ということが市民に受け入れられているかを検証する必要がある、とのことからでした。

「経済的負担軽減」では、多子世帯の保育料の軽減も

 長浜市の子育て世代の経済的負担軽減の施策では、ほかに、「保育料の多子世帯の減免」を行っているということです。所得制限なし、第2子は半額、第3子は無料、年齢の制限も基本的になし、ということです。
 長浜市では、教育委員会に「幼児課」を置き、幼稚園だけだなく保育園、認定こども園も所管しているということでした。

2017年5月12日 (金)

横浜市のごみ減量、足利市クリーンセンターの余熱利用を視察

 2017年4月12日・13日の日程で、30%削減の目標を大幅に超過達成した横浜市のごみ減量の取り組みと、足利市のクリーンセンターの余熱利用について個人視察を行いました。(写真下は、足利市の足利南部クリーンセンターで)

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 ようやく視察のまとめができましたので報告します。

「横浜市、足利市視察報告書」
 
 横浜市では、平成14年度(平成15年1月)策定の「一般廃棄物処理基本計画」を「横浜G30プラン」と名付けて、ごみ減量に取り組み、減量目標として30%削減を掲げました。取り組みの結果は、家庭系(94万tから61万tに)、事業系(67万tから32万tに)とも大幅削減に成功し、目標を大幅に上回る43.2%の減量に成功したということです。
人口300万人を超える大都市におけるごみ減量の成功は、国内はもちろん、海外からも注目されているということです。
 今回の視察は、その「横浜G30プラン」の取り組みと、それに続く「よこはま3R夢(スリム)プラン」について説明を聞きました。

 足利市では、足利南部クリーンセンターにおける焼却余熱をトマト栽培の温室団地に供給し、農業振興につなげている取り組みを視察してきました。

2017年1月25日 (水)

議会運営委員会視察報告① 新潟市議会・松本市議会

 盛岡市議会議会運営委員会の視察に来ています。
 昨日(1月24日)は新潟市議会、今日は松本市議会です。
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 「議会報告会」「議員間討議」がテーマですが、議会改革についてはそれ以外についても参考になることがありました。新潟市議会では議会に提案する新規事業(条例、予算等)について総括的な説明資料の「調書」を出して頂いていることなどすぐにでも取り入れたいものです。議会報告会では、両市議会とも「報告」に加えて市民との意見交換の場として、テーマを設定してのワークショップを取り入れるなどの工夫をしていました。松本市議会ではその他、各常任委員会が毎年テーマをきめて政策提言を行っています。(盛岡では、特別委員会で2年ごとに調査報告書としてまとめている)条例提案にまで至ったものはないとのことでしたが、「提言」が市の施策として実施された事例もいくつか紹介して頂きました。松本市議会には子ども連れの議会傍聴者のために、「議会子ども控え室」を設けてありました。
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2016年10月28日 (金)

会派視察報告③ SOS子どもの村福岡

  日本共産党盛岡市議団の会派視察の3日目、10月19日には、福岡市にある、「SOS子どもの村福岡」を視察しました。運営する「特定非営利活動法人SOS子どもの村JAPAN」常務理事の坂本雅子さんが説明して下さいました。
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 SOS子どもの村福岡の概要
~育親(里親)とともに子どもたちが暮らす5つの「家族の家」とセンターハウス

 SOS子どもの村福岡は、2010年6月に開設した「世界一小さい村」(HPより)です。
 親の病気や経済的理由、虐待や育児放棄などさまざまな理由で家族と暮らせない子どもたちが、「育親(里親)」と「兄弟(異年齢の他の子ども)」とともに、「家族の家」で家族として暮らしています。家族の家は5軒(5棟)あり、その他「センターハウス」を持ち「村」として運営されています。

▼家族の家~育親(里親)と3~5人の子どもたちが一軒の家で生活し、育親と子どもたちの家庭は、それぞれが独立して生活し、子どもたちはその家から地域の幼稚園や学校に通い、子ども会や地域の諸行事(お祭り等)に参加して、社会の中で育っています。
 5人の育親は、公募によって専任。現在は元保育士4人と元小児科看護師1人が育親となっています。

▼センターハウスには、全体の運営にあたる村長とセンタースタッフ2人、家事・育児、勉強やPTA行事、地域と行事への参加などサポートし、施設の管理などを担当する「ファミリーアシスタント」6人、福岡市から受託している、子ども家庭支援センター「子どもの村福岡」の3人が常駐しています。
 その他、子どもの家を支える専門家チームが結成され、7人の専門家(ソーシャルワーカー、臨床心理士、小児科医2人、精神科医、保健師、音楽療法士)が定期的に訪れ、子どもたちのケアに携わっています。
 センターハウスには、子どもたちの心のケアを行うためのカウンセリングルーム、プレイルルームや実親さんと子どもたちの交流、宿泊ができる家族の部屋などの機能も備えています。
 また、地域の子どもや家族が利用できる子育て相談・健康相談、里親さん・里子さん支援のための相談事業や研修事業も行っています。
 たまごホールでは、子育てサロンや読み聞かせ、ときには地域の皆さんを招待してミニコンサートなども開催しています。

 「家庭」で育つことは、子どもの権利~福岡市の取り組みと経済人の思いが合流

 SOS子どもの村福岡ができるにあたっては、福岡市が取り組んだ里親普及事業と、福岡市内の実業家の思いが合流したこと、経済界や小児科の医師会の支援がありました。

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2016年10月19日 (水)

視察報告② 福岡県の子ども支援オフィス

 会派視察の二日目は、福岡県が開設した「子ども支援オフィス」について視察しました。
 最初に福岡県庁で、福祉労働部保護・援護課 生活困窮者自立支援係 の竹下冨安さんから事業内容をお聞きし、その後、福岡市の隣町である粕谷町に開設した粕谷事務所で主任相談支援員の 青木康二さんから実際の相談の方からの内容・実績などをお聞きしました。
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「福岡県子どもの貧困対策推進計画」の支援事業

 子ども支援オフィス(以下 オフィス)は、平成28年3月に福岡県が策定した「福岡県子どもの貧困対策推進計画」(以下 推進計画)に基づき、平成28年6月1日県内の4か所にオープンしました。
 推進計画には、子どもの貧困対策として合計101事業が掲載されており、うち平成28年度からの新規事業が15事業、拡充事業が7事業、残りは従来からの事業ということです。
 子ども支援オフィス事業は、その中の新規事業の一つですが、それらの県が行っている支援事業や市町村、民間が独自に行っている事業を、様々な課題を抱えている支援対象者につなぐことを目的として設置された相談窓口です。
 
生活困窮者自立支援法の自立支援相談事業に併設・・併設に意味がある

 オフィスは、単独で設置されたのではなく、福岡県が既に設置(グリーンコープ福岡に委託)している4か所の生活困窮者自立支援事務所に併設して設置されました。
 生活困窮者自立支援事務所は、「自立相談支援」に加えて「家計相談支援」を行っていましたが、今回、その事業に加えて「子ども支援」が加わった形となりました。
 事務所の一つである「粕谷事務所」では、平成25年12月にモデル事業として相談事務所を開設し、27年度から自立相談支援事務所と家計相談事務所を併設して、県からの委託事業としてグリーンコープ生協が受託して今日に至り、今年6月から、オフィス事業を追加して受託しました。相談員は、「困りごと相談」5人、「家計相談」2人、に新たに「子ども支援」2人が追加されたということです。

▼丸ごとの支援
 粕谷事務所の青木氏は、「併設したところに意味がある。単体では機能しなかった」と語っておられました。つまり、子どもの貧困は、子どものいる世帯の貧困・親の貧困に本質があり、それに対する丸ごとの支援が必要であり、家庭に丸ごとアプローチすることが必要、ということです。
 相談の入り口も、例えば保育園から「子どもの着ているものが毎日同じ。洗濯もされていない」「朝ごはんを食べてこない」というような場合、事務所が連携し、母親に対して家計相談、子どもは「オフィス」へと連携して相談にあたることができる。
 県庁でお聞きした、この間の相談事例でも、障がいを持つ子ども2人を抱えた母親からの相談で、障がいを持った子どもの「放課後デイサービス」利用、児童扶養手当の受給支援に加え、母親が抱えていた借金の解決のため家計相談から弁護士事務所につないで債務整理の支援をした、ということでした。

▼訪問・同行支援
 また、粕谷事務所では相談事業のうち、面談での相談は37.2%で、残りの約63%が訪問(出かけて行っって相談に乗る)と同行(役所に一緒に申請、債務整理で弁護士事務所に付き添う等)による対応を行っているとのこと。複数態勢で出かけて支援することができることも、併設のメリットであり、「待ちの姿勢ではなく出向いて行く」相談スタイルを貫くことができます。
 

粕谷事務所・・年間255人の相談者、解決まで伴走

 粕谷事務所の平成26年度の年間相談件数は255人の相談者に対して電話相談・連絡は1,602件、他機関との電話による照会・協議は 696件に及び、「相談者との面談や他機関との協議・相談を重ねながら解決するまで伴走する」ことをコンセプトに相談事業に取り組んでいるということです。
 相談の紹介もとのトップは町役場で生活保護窓口・それ以外含めて40%と最も多く「親せき・知人」11%、社会福祉協議会 6.3%と続きます。
 また、相談者のうち「正社員」はわずか9.4%。年収240万円以下が55.7%、本人に何らかの障がい(疑い)のあるケースが約35%、相談者の家族に障がいのあるケースが約20%あり、医療は受けていても障がい者福祉や年金制度を知らない、知らせれていない相談者が多いとのことです。
 困りごとから見えてくることとしては、「複数の困りごとを抱えている」「収入・生活費の不足が半数以上」「生活困窮は心の困窮につながっている」「税金の滞納は早期発見のポイント」「食べるものがないという相談者が12・5%」・・・などです。
 ここには、今日の日本社会に共通する「生活困窮者」の実態があり、私たちが受け付けている生活相談にも共通するものであり、この種の相談支援事業の留意すべき点が示されていると思いました。

2016年10月18日 (火)

焼却施設を持たない志布志市・・資源化率76%は10年連続日本一

 日本共産党盛岡市議団の会派視察に出かけています。第一日は、鹿児島県志布志市のごみ処理行政についてです。

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 焼却施設を持たない同市がどのようにごみ処理を行っているか。それは、「徹底した分別と資源化」でした。
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27品目の分別収集・・・資源化率76%で10年連続日本一

 
 志布志市では、旧志布志町時代の平成12年度から19品目の分別収集を開始し、平成16年度からは生ごみの分別収集・資源化、同25年度から「小型家電」の分別と進み、現在では 27品目の分別(資源24分別、生ごみ、粗大ごみ、一般ごみ)を行い、資源24品目、生ごみの資源化はもちろん、粗大ごみについても資源化を徹底しているとのことです。


 こうした分別の徹底によって、同市の平成26年度のリサイクル率はなんと76.1%で、全国の市段階で10年連続日本一でした。
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 市町村での日本一は、志布志市と埋め立て処理を共同で行っている隣の大崎町の81.9%。両市町は全く同じ方法でごみの分別収集に取り組んでいるとのことです。
 岩手県の資料によれば、盛岡市の同年のリサイクル率は16.1%、県内平均では17.4%(平成26年度一般廃棄物処理事業の概要・岩手県)ですから、そのすごさに驚きです。

埋め立て地の延命どう図るか?・・焼却処理でなく分別の徹底で

 志布志市が分別・資源化に本格的に取り組み始めたのは平成10年以降。合併前の旧志布志町の時代から。当時他の町と共同処理をしていた最終処分場が、このままでは平成16年度までに満杯になってしまう。
 どうするか、①焼却施設を作って中間処理を行うか ②分別の徹底によって埋め立て処分の量を減らし最終処分場の延命化を図るか・・の検討の結果、後者を選んだとのことです。


莫大な経費・・焼却施設建設は地元をうるおさず後年度の負担も

 焼却施設を持たないという選択をするに当たって、経費の見積もりをしたところ、建設に莫大な経費がかかり、大手プラントメーカーに市の税金が持って行かれるだけだなく、その後の維持管理についても、メーカー言いなりにならざるを得ない。地元をうるおさない。
 反面、分別・資源化の取り組みは、その取り組みの中で雇用も生み出せる。そういう検討の中から、焼却施設ではなく、分別・資源化の徹底を選択したとのことでした。


ごみ処理経費は全国平均の半額、最終処分場も30年以上延命

 分別・資源化の徹底・リサイクル率76%が何をもたらしたか。①市民一人当たりのごみ処理経費は全国平均の約半額(全国15,200円、志布志市8,992円・・平成26年度)となり、全国平均と比較して約3億円を福祉・その他の住民サービスに回すことができる。

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②最終処分場・・「平成16年度までに満杯になる」という状況から、埋め立てごみの量8割を削減しました。

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 最終処分場(埋め立て)は、分別の徹底によって生ごみを除くことになり、においもなくカラスもいない衛生的な環境を維持しながら、「あと30年以上は大丈夫」ということです。

行政の確固とした姿勢と住民の協力

 このような分別・資源化がどのようにして行うことができたか。詳細は省きますが、そこには、行政の側の確固とした姿勢・方針があり、徹底した住民参加と協力の取り組みがなされていたことです。各自治会の中に「衛生自治会」を別に組織していただき、ごみ減量分別化を、住民の協力で実施する体制を作っていただいたとのことです。

 違反ゴミなどを正しく処理(出した人に返して分別していただく)するためにも、ごみ袋に名前を書いていただいていますが、自治会ごと、住民の協力の下に取り組んでおり、大きな混乱や異論もあまりなかったということでした。
 さらに、ペットボトルやプラスチック製の容器等のの回収では、水洗いをして出していただくため、資源化に回す際の品質が100点満点の99点以上「特A」に評価され、日本容器包装リサイクル協会からの再商品合理化拠出金の収入が404万円(平成27年度)あったということです。市民の理解と協力がなければできないことです。

市の手厚い支援・・「環境学習会」開催一回5000円の補助

 市の方は、こうした市民参加を推進するうえで、手厚い支援がなされています。各自治会に「資源ごみ分別報奨金」を拠出(年間700間年の予算)のほか、ユニークなのは「環境学習実施事業補助金」で、年間一団体につき一回、学習会を開催すると、その団体に5000円の補助金が出るということ。

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 学習会で学んだ結果は確実に「分別・資源化」についての市民の理解と協力が広がる、という仕掛けです。
 志布志市では、そのほか様々な形で、資源化への住民参加の仕掛けが作られており、行政の確固とした姿勢が、様々な工夫を生み出し、市民参加にもつながっていることを確信しました。

新しい計画では、紙おむつの分別にも挑戦・・志布志市モデル海外へ

 志布志市が、今年3月に策定した新しい「一般廃棄物処理基本計画」(平成28年度~37年度)では、現在「一般ごみ」として処分している「紙おむつ」についても分別・資源化をめざしているとのこと。新しい技術をメーカーとの協力体制をとンって試行し、今年の11月からモデル回収を始めるということでした。
 そして、その計画策定の中心となった課長さんは、「この計画期間10年後、埋め立て処分をさらに9割削減し、限りなく埋め立てもゼロをめざす」という意気込みを語っているということです。

 そして、この取り組みは今や国内だけでなく、海外(フィジー、サモアなど大洋州)への技術協力で普及されているとのことでした。
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「大型焼却施設による広域処理」とは対極の取り組み

 改めて「分ければ資源・混ぜればごみ」分別の徹底による資源化・・・これが単なるスローガンや「究極の目標」などではなく、取り組むべき実践課題であるということを認識させられました。

 そして、いま盛岡市が中心となって8市町の広域で取り組んでいる「ごみ処理広域化」(一か所に集めて焼却処理する)は、志布志市などが取り組み実績を上げてきた方向とはと対極にあり、分別・資源化に逆行するものだと、改めて実感しまし。

2015年12月 2日 (水)

0歳児から20歳までの子供から若者まで総合支援・・エール岐阜を視察

 11月18日から20日まで、会派の視察を行いました。初日の18日は、岐阜市。「岐阜市子ども・若者総合支援センター」を視察しました。

 詳しくはこちらへ・・「岐阜市子ども若者総合支援センター視察報告」
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 「エール岐阜」との愛称の同支援センターでは0歳から成人までの子ども・若者に関するあらゆる悩み・不安に対応し、しかもワンストップで総合的に 相談にのり、支援しています。

施設は廃校となった小学校校舎を整備し、スタッフは103人。教員資格、保育士、保健師、臨床心理士、学校心理士、精神保健心理士、社会福祉士などが配置され、発達段階に沿って支援するために総務係含めて8係が置かれ、小児科医、精神科医師の定期診察日も設けているほか、弁護士や、警察の少年担当などの協力も受ける体制になっているということです。

 開設は平成26年度。一年目の相談は1万8千件を超えたということです。保護者はもちろん、学校や関係機関からの相談も増えている一方、子ども本人からの相談は全体の0・2%にとどまりました。

 川崎市の中学生がだれにも相談できないまま、いじめ(リンチ)で死に追いやられたという事件を踏まえて今年4月には子ども向けに「子どもホッとカード」を全ての小中高、支援学校の児童、生徒、配ったそうてす。「悩みがあったらすぐ相談してね。だれにめ言わないから安心してね」とのメッセー悪口やジつきでメールアドレスと電話番号が記載されたカードです。これによって今年度、子ども本人からの相談が飛躍的に増えたとのことです。

 大変素晴らしい取り組みだと感じてきました。

2015年1月29日 (木)

議会運営で熊本市議会を視察

 盛岡市議会議議会運営委員会が1月28日~30日に日程で議会運営・インターネット中継について視察を行っています。

予算決算委員会を「常任委員会」に~熊本市議会

 初日の28日には、熊本市議会を視察しました。
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 熊本市議会の特徴は、予算決算委員会を「常任委員会」として常設しているということです。地方自治法の改正によって議員が複数の常任委員会に所属することが可能になったことから、平成21年度に、全議員が所属する「予算決算委員会」を常設し、各議員はそのほか、従来からの6つの常任委員会に所属するということです。
 この予算決算委員会が常設された背景は、従来予算は当初も補正も各常任委員会に分割付託し、決算は決算審査特別委員会を設置していたが、自治法改正を機会に改革したということでした。
 予算決算特別委員会には、予算(当初及び補正)と決算の議案及び、予算決算に関連する他の条例・契約などの議案が付託され、他の常任員会には、「その他の議案」が各所管ごとに付託されて審議するということでした。

当初予算・決算は2日間の「総括質疑」、2日間の「分科会審査」

 第1回議会(盛岡では3月議会)で審議する当初予算、及び第3回議会(9月議会)で審議する決算の審査の際は、付託された予算・決算及びそれに関連する議案に対する各会派ごとの「総括質疑」が2日間の日程で行われます。各会派の持ち時間は「一人5分×人数+10分」で一人会派も会派として認め、最低15分の時間があるということです。
 2日間の「総括質疑」終了後、予算決算委員会の「分科会」(構成は各常任委員会)で、2日間の日程をとり、所管ごとに詳細審査を行うということです。詳細審査では、質問回数も質問項目も、制限がないということです。

インターネット中継は、本会議と予算決算委員会の「総括質疑」まで

 熊本市議会のインターネット中継は、本会議と、予算決算委員会の総括質疑まで、生中継および録画中継で行っています。分科会及びその他の常任委員会については、基本的に同時開催されてることなどから機材や人員の配置の関係などから現在は行われていないとのことでしたが、議会の中出は実施する方向での意見が出ており、時期の改正後具体的に検討が行われるということでした。

熊本城周辺を散策

 視察後、5時過ぎから熊本城周辺を散策。(盛岡市よりも約一時間日の入りが遅く、6時近くまで明るい) すでに入場時間が過ぎていたために周辺からの見学でしたが、熊本城はとても広く、重厚な感じを受けました。

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